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-アンジェリーナ・菜夏・シーウェル編-















 私立結姫女子学園が誇るスーパーメイド、アンジェリーナ・菜夏(ななつ)・シーウェルは神出鬼没である。何かお困りの人がいれば、どんな些細で何気無い事であっても突然現れては用件をこなし、即座に姿を消す。ひらひらしたメイド服とエプロンをはためかせながら疾走するその様は、あたかも忍びの者を想像させる。

 例えばとある女学生が、特別に退屈な授業を終えてため息をつきながら机に突っ伏していたと仮定する。そしてその女学生がおもむろに……。

「あ〜。喉渇いたな〜」

 とか言おうものなら、それはすなわち彼女の出番を意味する。

「はい〜! お茶をどうぞでございます〜!」

 陽気で元気な声と共に、シュタッと天井裏から現われて舞い降りる姿。

「あ、アンジェありが……って、もういないか」

 机の上には洒落たカップに注がれたイングリッシュティー……ではなく、何故かとっても和風な湯飲みに熱々の緑茶。しかも茶柱が立っていてとってもいいことありそうな予感。女生徒がお礼を言おうとしたその時には既にアンジェはいずこかへと姿を消していた。まさに結女の象徴と言うべきだろうか。





しかし、時としてその俊敏さが仇になり





悲劇は必然的に訪れるのであった。





 昼も過ぎ、気だるくも微睡みに包まれる時間が過ぎていく。本日最後の授業を終え、ホームルームを目前に控えた休み時間の頃。一人の男子生徒が廊下を歩いていた。彼の名は瓜生新吾。アンジェにとって最愛の人であり、つまるところ主従関係兼彼氏と彼女の間柄という、ちょっと変わってはいるものの、特別親密な関係を築いているのだった。

(むむっ! 旦那様を見つけましてでございます〜!)

 それはもう、彼が何かに困っていようといまいととにかく姿をお見せしなければ失礼に当たるのではないかとアンジェは判断したのだった。幸いなことに辺りに人影は見えなかったが、誰かがいたとしても問題にはならない。ふと、アンジェは些細な事に気付いた。半ば無理矢理に。

「わっ!」

「旦那様〜! タイが曲がっておりますでございます〜!」

 忍者屋敷のからくりの如く突然天井がパカッと開き、逆さまのまま自由落下というとってもアクロバティックな体勢のアンジェが、新吾の胸元のネクタイをピタッと整えてからクルリと一回転して足から着地し、今度は逆にピョンと跳びはねるように猫のような跳躍力を見せつけながら颯爽と天井裏へと戻っていく。まさに神業……の、はずだった。だが……。

「アンジェ、待って! っと、ととっ! わっ!」

 新吾の方は愛しの彼女に対し何か用事でも話でもあったのか、あるいはお礼でも言おうとしたのかは定かではないが、今まさに天井裏へと去ろうとしているアンジェの細い肩をとっさに掴もうとした。だが、アンジェはとても俊敏で、既にメイド服のスカートをふわりとさせながらジャンプをし終えていたのだった。

 アンジェの肩に触れ損ねて勢い余って大いに体勢を崩し、つんのめってしまった新吾。オートバランサーと言うべきか人としての本能と言うべきか、転ぶのを未然に防止しようとして手が伸び、そのままアンジェの背中を掴もうとしてしまうがそれもかなわず、結果的に新吾はアンジェのスカートを、お尻の辺りから掴んでしまうことになるのだった。フリフリしていて柔らかな布地のそれをしっかりと掴んだまま、青年男子の全体重が一気にのしかかっていく。その後、どうなるかは自明の理。

「ふえ……っ?」

 アンジェが不思議そうに振り向こうとした瞬間。わずかコンマ数秒の出来事はしかし、一瞬何が起こったか互いに分からなかった。勢いと過重によりミリッ……と、繊維が引っ張られてきしむ音を皮切りに、ビリイィィィッ! バリバリバリッ! と、何かを引き裂く音が盛大に響いたのだった。

「わっ! わあっ!」

 時の流れが緩やかになったような、スローモーション映像を観ているような感覚だった。支えを失い廊下の床へとダイブを敢行する羽目になってしまった新吾は、両手にしっかりと何かを握っていることに気付く。エンジ色をした幅広の布地に、黒い紐のようなもの。かつてはスカートだったものとショーツだったものの残骸……。よりによってスカートだけじゃなくて下着まで破ってしまうとは。

「こ、これって……」

 ふと、上を見上げる。そこ……天井裏には、目を真ん丸にして呆然としているアンジェ。違和感に気付いてあれ、あれ、と思いお尻に両手を当ててみると遮るものなど何一つない剥き出しのお尻。ぺたぺたと触りつつあるはずだったものを探しつつ、アンジェはやっとこさ状況に気付き、みるみる涙目に変わっていくのだった。

「ふ、ふえ……だ、だんなしゃまぁ……しょん、な……ぁぁ……ぁ」

 はからずも学校内にてお尻を丸出しにさせられてしまった事にようやく気付いたアンジェ。ヘッドドレスを外された時を彷彿とする反応に、新吾は慌てた。そのデジャブはとてつもなく危険な感覚だった。

「わ、わ! あ、アンジェ!」

 偶然の産物とは言え、新吾はアンジェのスカートとショーツを思いっきり引き裂き、ぶちやぶってしまったのだった。これはまずい。こんな状態で泣きわめかれようものなら人もわらわらと集まるだろうし、アンジェの霰もない姿を晒す事になってしまうだろうし、何と説明しても弁解できないようなとんでもないことになってしまう。そのまま一気に泣きわめきそうなアンジェをなだめ、落ち着かせる為に新吾はとっさにジャンプを敢行し、天井裏へと這い上がっていた。そうして辺りには誰もいなくなり、静けさを取り戻す。後になって考えてみると、あの時のジャンプはものすごく驚異的だったかもしれないと、新吾は思うのだった。火事場のなんとやらと言ったところだろうか、きっと。





このようにして、愛の逃避行・イン・屋根裏部屋に至るのだった。





 屋根裏のスペースは広さはともかく高さがあんまり無くて、当然の如く暗かった。新吾はとにかくアンジェを優しく抱き締めながら頭を撫でていた。いいこいいこと子供をあやすかのように。

「ひくっ。ぐしゅっ。旦那様ぁぁぁ。あぅあぅあぅ……」

「ごめんね、ごめんね、ごめんね、本当にごめんね」

 現在の状況は偶然が重なっただけで、決して新吾に非も悪気もある訳ではないしそもそも旦那様はそんな事をする方ではないとアンジェ自身も完全に認めているのだけど、頭では思っていても突然お尻を丸出しという羞恥極まる格好にさせられては結構なショックだったようで、ずっとぐしゅぐしゅと泣きながらいじけていた。

「学校が終わったら一緒にクメマートに行かない? って、言おうとしただけだったんだよ。今日、特売の日だって桜乃が言ってたから、思い出してさ」

 それがどうしてこのような事になっているのだろうか。そう思い、新吾は深くため息をついた。アンジェのスカートもショーツも、ビリビリに引き裂かれてしまった布地はもはや繕いようもなかった。けれど、新吾の嘘偽りのない言葉はちゃんとアンジェの心には伝わっていたのだった。

「はうぅ〜。旦那様が折角お誘いくださったのに、それなのにアンジェはこんな体たらくです。アンジェは自分が情けないです……。ふええぇぇ〜〜〜んっ!」

 アンジェが思うところの普通の女の子……例えば愛理や桜乃ならば、まずこのような状況にはなり得ないだろう。これらは全て自分の落ち度なのだとアンジェは思い、落ち込んでしまう。

「あ、ああ……。お願いだから泣かないで。アンジェは何も悪くないから。悪いのは全部俺だから」

 新吾はただ、アンジェを慰めるようになでなでしてあやし続ける。アンジェは新吾の優しさに浸りながらも、それだけではいけません、こんな見苦しくも恥ずかしい状況に陥ったのは自分の行動が原因なのですから旦那様に優しくされてはいけないのです。叱責して欲しいです。……そこまで思ってから、アンジェは気づいた。

「ぐしゅっ。旦那様……。お願いがございます」

「うん。俺にできることなら」

 アンジェは両目を潤ませながら哀願した。

「アンジェに……アンジェにお仕置きをしてくださいませ!」

「は?」

 それはとても衝撃的な一言だった。新吾は目を丸くしてしまう。

「アンジェは……アンジェは大きな失敗をしてしまいました。旦那様にため息をつかせてしまうような、お気遣いをさせてしまうような……。ですからアンジェは旦那様にお仕置きをして欲しいのです。お前はダメな娘だって、きっついお仕置きを」

「お仕置きって……。俺は気にしていないというか、むしろアンジェに悪いことをしたって思っているんだけど……」

 経過はどうあれ女の子の衣服と下着をビリビリに破ってしまったのだから、それはもう相当な罪悪感だった。

「違うのでございます! アンジェはお仕置きをしていただきたいのでございます!」

 大いに望んでいるんです、とアンジェは物欲しげな眼差しのまま言った。

「ど、どうやって?」

 どう答えていいか分からず問い返すと、アンジェは恥じらいに頬を赤く染めながらも思い切りよく新吾に対してくるりと背を向ける。覆っていた布地が全て破られて、剥き出しになったお尻の割れ目がくっきりと見える……。

「アンジェの……はしたないアンジェのお尻を、旦那様の手で思いっきり叩いて欲しいのです!」

 それはもう、とんでもない要求だった。

「で、できないよ。そんな事」

 当然ながらできるわけがない。うろたえる新吾に対しアンジェは目を潤ませながら哀願した。

「旦那様ぁ! お願いです! そうして頂かなければ体が疼いて仕方がないのです〜!」

「あ、アンジェ。っていうかその。お、大きな声でしゃべったりしたら誰かに聞こえるよ?」

 かなり今更な指摘かもしれないが、動揺しつつも常識的な新吾の疑問に対し、アンジェはきっぱりと言った。

「大丈夫でございます〜! 結姫女子学園の天井の壁は全て完全防音されておりますので全く問題ございません! というわけなので旦那様、心ゆくまでアンジェをお仕置きしてくださいませ〜」

 さ、さすがは名門女学園。よく分からないところまでお金がかかっているな、と新吾は思うのだったが、今はそんなことはどうでもいいのかもしれない。どうやってアンジェの申し出をやんわりと拒否するか、それが問題なのだから。

「だ、だから。……大好きな娘にそんなことできないよ。俺にとってアンジェはとても大切な娘だから。傷つけるようなことなんてできないよ」

 それを聞き、アンジェは感激の余りうるうると涙を流しながら言った。

「はうぅぅっ! アンジェは……アンジェは……本当に嬉しゅうございます。そんなに大切に想っていただいているのに、我が儘を申してごめんなさい……。旦那様あぁぁぁ〜……」

 ああよかった。結構すんなりわかってくれた。新吾は安心して胸をなで下ろし、ほっと一息つくのだった。だが、今度はまた別の新たな問題が発生していた。

「旦那様……。お願いです。ここで……アンジェの中に入れてください」

「え?」

 今度は今度でまた過激な要求だった。

「旦那様ぁ。お願いでございます。アンジェの中に入れてくださいませ〜。もう、アンジェは恥ずかしすぎて……旦那様に、して欲しいのです。お尻を丸出しにしたふしだらなアンジェに、してくださいまし〜」

 アンジェは四つん這いのまま、額が床に突くくらいに顔を押し付け、両手でお尻の割れ目を左右に開いて男のものを求めた。完全に熟れて皮を剥かれた果実のようにほんのりと赤く染まり、蜜のような滴を垂らす秘所はアンジェの意志と同じように、新吾を誘っているかのようだった。なまめかしい光景に新吾は思わずごく、と唾を飲み込んだ。






新吾はもう、拒否できなかった。





正確には、我慢ができなかったのだった。





「アンジェ、いくよ。力抜いて」

「はいっ! ……んっ! んぁっ! あふぅっ!」

 新吾は四つん這いのアンジェの後ろに回り込み、チャックを開けて大きくそそり立ったものを取り出して、アンジェの秘所の入り口に宛てがう。そして更にアンジェの腰をしっかりと掴みながら力を込めて押し込んだ。アンジェは新吾に言われたとおり可能な限り力を抜いているようで、すんなりと入っていく。

「あっあっあっ! は、入って来ます……っ! 旦那様の……熱いのが!」

 ずぶずぶと、強烈な締まりを押し広げるように、新吾の物がアンジェの中へと埋没していく。アンジェの柔らかくて大きくて丸いお尻をしっかりと掴んで固定し、更に押し込むと、ずにゅ、と浸透していくようにめり込んでいく。

「ほ、本当に下には声とか聞こえてないの?」

「は、い。大丈夫でございます」

 アンジェが言うには、この場所は位置的に丁度自分達が所属しているクラスの真上とのことだった。恐らく、下では今まさにホームルームが行われているわけで、新吾は気が気ではなかった。ちなみに、ホームルームへの参加をサボってしまった理由もしくはサボらざるを得なかった理由については、親友の隼太にメールで『悪い。諸々の事情によって、俺とアンジェはホームルームに出られなくなってしまった。何とか取り繕ってもらえないかな。この埋め合わせは後で必ずするから』と、律義に伝えておいたから、どうにか取り繕ってはくれることだろう。それはさておき、声の不安は未だに残っている。アンジェもそれを察したのか、解決策を考えた模様。それも、とびきりの名案が浮かんだようだった。

「大丈夫でございますが。……でも、心配ですよねそうですよね。旦那様がご心配になるのも無理はございません。ですので旦那様、是非是非それをお貸しください」

 アンジェが求めたそれとは、黒い布切れ……つまりは新吾がぶち破ってしまったアンジェのショーツ。

「これを、どうするの?」

 新吾から受け取ったアンジェは言った。

「これをですね、こうするのです。んぐんぐ、んむむぅ〜」

 アンジェは何を思ったか、かつてショーツだった黒い布切れを丸めて口の中に押し込み、くわえ込んだのだった。

「ほふふれは、こへももれまへんれす、らんなさま」

 こうすれば声もあんまり漏れませんです、とのこと。呆気にとられる新吾と、もごもごと説明するアンジェ。アンジェは再び両手を床に着け、新吾に向けてお尻を更に高く突き出した。どこかで未だに『お仕置き』っぽい行為に憧れているのかもしれない。その証拠にアンジェの鼓動はどきどき高鳴り、漏れる吐息はとても熱かった。それほどまでに優しい新吾に拒否された『お仕置き』を、やはりして欲しいと思っているのかもしれない。

「れは、らんなさま、ろうぞ〜」

 どうぞと言われても、と新吾は思ったけれど、アンジェが望んでいる以上拒否したら申し訳ないし可哀想なので、この場合徹底的にやるべきなのかも、と判断した。再びアンジェの腰をがっしりと掴み、挿入を開始する。ずぶ、ずぶ、と少しずつめり込み始める。

「はふんっ! むぐっ! んっ! んっ! んっ!」

 白いお尻の丸いラインや割れ目がくっきりと見え、その中心に新吾の太いものがねじ込まれていった。やがてある程度のペースができて、アンジェのお尻と新吾の下腹部がぶつかる度にぱちん、ぱちん、と音を立てていく。ショーツをくわえ込んだアンジェは猿轡でもされたかのごとく、くぐもった声をわずかに出している。なんだか捕らわれの少女を好き放題犯しているような、悪い事でもしているかのような背徳感に、新吾はぞくりと背筋を震わせる。

「はふ、あふ、んぐっ! んふ、ん、うっ! んっんっんぅぅっ!」

 奥まで深く突かれる度に堪えきれない快感をわずかにあふれさせ、とろんとした夢見心地の表情のまま目を細めているアンジェ。とてもいやらしいな、と新吾は思った。普段とは違った、成熟した女性のような色っぽさを感じたのだった。

「アンジェ……。アンジェの中、暖かくてぬるぬるして気持ちいいよ。すっごくきつくて締め付けてくるよ。もう、止まらない……」

「んんんぅぅっ!」

 新吾が強く突き上げる度にぱんぱんと音を立て、ぷるんとたゆみ続けるお尻。白くて艶があって張りもある感触は、あたかもマシュマロのように感じて、新吾はますます強く突き上げていく。愛しくて可愛くて、手の平で何度も撫でては揉みしだく。アンジェの秘所からとろりとこぼれる蜜のような愛液はやがて溢れ、したたり落ちていった。

「んふぅ! んんっ! んんぅ! ううんっ! んうっ! んひっ!」

「あ、ああ。もうだめだ。ゆっくり動こうと思ったけど、我慢できない……。思いっきりいくよ! アンジェのお尻に思いっきり出してあげるから」

「んひぃぃっ! んんんぅっ! くひっ! んんぅっ! んぐんんんんっ!」

「アンジェも腰をふって。ほら、もっと」

「んんんぅっ! は、ひっ! らんなさまっ! んんっ! んあぁぁぁっ! んぐひぃっ!」

 アンジェは言われるがままに腰をふり、ガクガクと揺れる。口元からは涎がこぼれ、ぽろぽろと涙の粒がこぼれ落ちていく。こうして、お尻を丸出しにさせられたアンジェはひたすらはしたなく喘ぎながら絶頂を向かえた。新吾も同じく達して、アンジェのお尻に大量の精液をたたきつけていった。





…………





「……。旦那様。気持ち良かったでございますか?」

「うん。最高だった」

「それはなによりでございます〜。アンジェの体でたっぷりと感じてくださってうれしゅうございます〜」

 満面の笑みを見せるアンジェ。

「それにしてもアンジェ……。パンツなんてくわえちゃって」

 大胆と言うべきか、突拍子の無い行動に、新吾はただ圧倒されるばかりだった。

「旦那様……。は、恥ずかしながらアンジェは……アンジェは旦那様に苛められると、とてもうれしくなってしまうのです。けれど旦那様はとてもお優しいので、つい自分でそんなことをしてしまったのです」

 やっぱり、どうしてもお仕置きをして欲しかったのは本当のようだった。

「そっか」

「旦那様ぁ……」

 可愛らしい笑顔に吸い寄せられるように、新吾はそのままアンジェのふっくらした胸に顔を埋めるのだった。

「ふふ。旦那様、ぱふぱふでございますね」

 アンジェは新吾の頭を抱き締めるようにして、胸を左右に動かした。新吾は呼吸を止めて、柔らかな感覚に身を任せる。

「本当に大きいよね、アンジェのおっぱいは。お尻みたいにふにふにしてて柔らかいし、白くてきれいでマシュマロみたい」

「ん……。ありがとうございます。あ、ん。……今度は、直に触ってくださいね。いっぱい」

 アンジェは笑顔のままメイド服の胸元を開け、器用にブラを外して剥き出しになった胸を手で掴んで寄せあげて、新吾の口元に押し付ける。

「旦那様〜。アンジェのおっぱいをお吸いになりますか? お揉みになりますか? それとも、お顔を挟んで差し上げましょうか?」

 自らの豊かすぎる膨らみを手で掴んでこね回しながら、にっこりと楽しそうにアンジェは言った。

「そうだね。じゃあ……」

 新吾の答え。それは……。

「ん、ん……」

 自らの手で寄せあげられた胸の先端に、アンジェは舌を這わせていた。そして同時に新吾の舌も絡み合う。一緒にしゃぶろう、と新吾のお誘いだった。

「あ、ん。アンジェは……アンジェは、本当にはしたない娘でございます。自分で自分のおっぱいを舐めて、旦那様にも舐めて頂いて……か、感じてしまってます。でも、気持ちいいのです……」

「可愛いよ。感じてるアンジェが」

「だ、んな様に……嫌われてしまいます」

「嫌わない。絶対に。……ほら、右も左も。乳首口でくわえて吸って。舌でなめ回して」

「ん、ん、んーっ!」

「すっごく起っちゃってるし。……便利だね。自分で自分のおっぱいを吸ってしゃぶって気持ちよくなれるなんて」

 新吾も負けじとアンジェの乳首をなめ回した。寄せあげて、起ってしまった乳首同士を絡ませながら。

「ねえアンジェ。どんな気持ち?」

「い、いけないことでございます。自分の体でなんて……。何だかとても……。でも、旦那様も……アンジェの体をもっと、弄んでください。おもちゃにしてください。舐めて、揉みくちゃにしてください」

 言われるまでも無くそのつもり。新吾に乳首を吸われるたびに、ぴくん、ぴくん、と震えるアンジェ。そのこそばゆさが心地よい。

「あ、あ……ん。アンジェは今、最高に幸せでございます。あ、ああああっ! と、溶けてしまいそうな気持ちです」

 優しく乳首を摘ままれ、胸全体を撫でられる。吐息とともに甘ったるい声を漏らしながらアンジェは耐え続けた。ひたすらずっと、このまま新吾に弄び続けてもらいたい。心の底からそう思いながら、アンジェは絶頂を迎えさせられていくのだった。

 ――そして。

「旦那様ぁ」

 寄り添いあって満面の笑みを見せるアンジェ。じゃれ合うように何度もキスを交わしては、その度に意味もなく笑う。

「キス、してもいいですか?」

 新吾が断る訳などないとわかっていて、アンジェはあえて甘えた声で聞いてみるのだった。それに対して新吾はと言えば、やっぱり大歓迎で受け入れる。

「アンジェは俺のメイドさん。だけど同時に、一番大好きな女の子なんだから、望むままにして欲しいな」

「はい〜! えへへへ」

 にこにこして嬉しさがあふれ出してくる。どちらからということもなく、新たなキス。

「んんんん。……旦那様ぁ」

「アンジェ」

 互いを呼び合うだけでも楽しい瞬間。アンジェが新吾に抱き着くと、たわわな胸が新吾の体に当たってゴムボールのようにぐにゃりと形を変える。

「それにしても、アンジェはとてもえっちでふしだらなメイドでございます。服を着てるのにおっぱいとお尻のところだけ丸出しだなんて、ものすごく羞恥極まってございます〜」

「そうだね。アンジェはおっぱいもお尻もふにふにしてて柔らかいよね。触り心地も最高だから、いつまでも触っていたくなっちゃうよ」

「あ、ん……。ありがとうございます〜。もっといっぱい触ってくださいませ〜」

「うん。触る」

「あ、あん……。はふっ。く、くすぐったいです〜。あっあ〜。だ、旦那様……。もう一回、してください」

 触れられれば触れられる程に、体が火照っていくアンジェ。そうしてまたたまらなくなって、新吾におねだりをするのだった。

「うん、いいよ。ほら、今度はアンジェから乗っかって」

「は、い。……ん……ん……んあ、ああんっ! あっ! あっ! 旦那様あぁぁっ! 一気に奥まで入っちゃってます〜っ!」

 アンジェは新吾と抱き締め合い、キスをしながら一つに繋がる。数秒後には、狂ったように腰を上下させて喘ぐアンジェの姿があった。

「入れただけでいいの? そんなことないよね?」

「ん、ん……。は、い。アンジェ、淫らに腰を上下に動かします〜。あ、あ、ああぁぁん……っ!」

 こんな風にして、二人はしばらくの間じゃれ合い交わり合い続けるのだった。





その後……。





「どうする? このままじゃ流石に外は出歩けないし」

「大丈夫でございます。この辺りに、ですね」

 勝手知ったるわが家とばかりにアンジェは広大な屋根裏の空間を進み、ある地点で下に降りる。

「あ、ここは……」

 そこは以前、アンジェが自室にしていた所だった。アンジェ話を聞く限り、引っ越しに際して少しずつ持ち出してはいるものの、まだ何かしら残っているものがあるようだった。屋根裏から降りようとした新吾をアンジェは制して、お願いをするのだった。

「旦那様。大変申し訳ございませんが、しばらくここでお待ちいただいてもよろしいですか?」

「うん」

 着替えでも持っているのか、アンジェは少しだけ一人になることを希望した。そうして数分後のこと。

「お待たせしました。お降りくださいませ〜」

 アンジェの手を借りて屋根裏から部屋へと降りると、新吾は一瞬呆然としてしまった。それはまさに一張羅のごとく、いつもメイド服を着ている少女が変化していたのだから。アンジェは突如として制服に着替えたのだった。

「アンジェ……。それは」

「本邦初公開でございます! 似合っておりますか〜? 何だかとても恥ずかしいです……。メイドとしてのアイデンティティの危機ではありますが、この際致し方ありません。お見苦しい姿で申し訳ございませんが、どうかどうか今だけはご容赦くださいませ〜」

 それは正真正銘、愛理や紗凪達がいつも着ている結姫女子学園の制服だった。指定のソックスに短めのスカート。白を基調としたデザインでリボンのカラーはブルー。見違えるような変化に、新吾は感嘆の声を上げる。

「見苦しくなんてない。すっごく似合ってるし、可愛いよ」

 心の底から可愛いと思ったから、そのまま言葉に出して伝えてみせる。

「ありがとうございます〜」

「でも、ヘッドドレスはそのままなんだね」

「はい! こればかりは譲れません! ……でも、そうですね。違和感があるので。そう……。これは今だけヘッドドレスではなくヘアバンドなのです! ということにしてくださいませ。……あ」

 何故だか妙に自信満々のアンジェが微笑ましくて、新吾は思わず優しく抱き締めて、そのままキスをしてしまった。

「好きだよ」

「旦那様……」

「アンジェ。今は……今だけは旦那様じゃなくて、クラスメイトの女の子として……ね」

「はい……。んん……」

 優しく頭を撫でながら抱擁。とても不思議な感覚だけど、優しいとアンジェは強く思った。嬉しさに感極まり、そして決意する。

「旦那様。……いえ、今は新吾さん、ですね。アンジェからお願いがございます」

「何かな?」

「新吾さんのお○んちんを、アンジェのお口とおっぱいでご奉仕させてください」

「え……」

 早業だった。新吾が聞き返した瞬間、アンジェは制服の胸元をはだけさせていた。大きな胸を覆うブラジャーを器用にも脱ぎ去り、新吾の前でひざまずく。そうして手早く新吾のズボンのチャックを降ろし、目的のものをか細い手で握ってしごき始めた。しゅ、しゅ、としごく音はとても手際が良かった。

「あ、アンジェ!」

「メイドとしての嗜みではなくて、今は一人の女の子として、でございます。クラスメイトの女の子が突然、好きな人にお口とおっぱいでご奉仕したいです、とお願いするのはおかしいことでしょうか?」

 またまたそそり立っていく新吾のものをアンジェはしっかりと両手を使って左右の胸を掴んで挟み込み、飛び出した先端部分に舌を這わせていった。

「おかしいというか、普通は言わないと思うけど」

「はい。アンジェもそう思います。ですけど、もう言ってしまいました〜。早い者勝ちですね。えへへ」

 にっこりと笑いながら胸を上下に動かし始める。ずりゅ、ずりゅ、ずりゅ、と湿りを帯びつつ陰毛が絡み合う音が響く。

「本当に、おっぱいは使いようですね。自分のおっぱいで大好きな人に気持ち良くなっていただけるなんて、最高の幸せでございます。さっちゃんさんには大変申し訳ございませんが、大きいことに感謝感謝です〜」

 多分それを紗凪本人の目の前で言ったら追い回されたりどつきまわされたりするんだろうな、と新吾は思ったがそんな余裕もなくなりつつあった。

「あ、あ。アンジェ……。ああ……」

 アンジェはうっとりとしながら無我夢中で胸を動かし続けた。ちゅば、ちゅば、と粘り気のある音がひたすら響いていく。

「見てください。アンジェの乳首、またまたピーンって起っちゃってますよね〜。えっちで本当にごめんなさい〜。でもでも、旦那様……いいえ、今は新吾さんとお呼びをするんでした。ともかく、新吾さんと一緒にとってもえっちなことをしていると思うと、自然とこうなってしまうのです〜。まるで、そう。パブロフの犬みたいですね〜。わう、わふ〜なんて」

 楽しくて嬉しい。挟み込んだ新吾のものの先端からあふれ出る液体がアンジェの胸元を濡らしていく。

「あ、あああぁ……。う、く……。アンジェ……」

「いきそうでございますか? 我慢しないで遠慮なく出してください〜。わぷっ! ん、ん、んぅっ!」

 言われるまでもなく、我慢することなどできなかった。新吾はアンジェの笑顔を汚すようにして、大量に射精してしまった。

「ん、ぐ……。けほっ。い、いっぱい出ましたね〜。でも、まだまだこれからでございますよ〜! んぐっ! ん、ん、ん、ん、ん〜!」

 アンジェは間髪入れずに新吾のものを口でくわえ込み始めた。とっても嬉しそうな笑顔のままちゅうちゅうと吸い込み、時折ごくりと飲み干しながら顔を前後に動かし続けていった。





…………





 日も暮れて、暗い帰り道。桜乃に何と言い訳をしようかと考えつつ、家路を歩む新吾。その隣には制服姿のアンジェ。

「旦那様。……ではなくて、新吾さん」

 普段とちょっと違う今を楽しむように、アンジェは新吾の右腕に抱き着いていた。

「どうしたの?」

「はい。メイドとしてではなく、普通の女の子として好きな人と歩くのって、新鮮だなって思って、アンジェわくわくしちゃってます」

 誰もいないし見ていないけれど、もし誰かが見ていたとしたら、恋人同士に見えるだろうか。アンジェはそんな風に思った。新吾はアンジェの体を引き寄せて抱き締める。

「わっ。新吾さん? 大胆でございますね〜」

「アンジェは俺のメイドさんだけど、普通の女の子でもあるんだよ。それも、大好きな」

 そうして新吾はアンジェの顔を真上に向けて、塞ぐようにキスをした。

「……専属メイド兼、時々普通の女の子で制服を着たクラスメイトな彼女さん。何だか肩書がいっぱいです。豪華ですね〜」

「アンジェ」

 また、連続してキス。アンジェは一瞬目を閉じて、頬を赤らめながら言った。

「んふ……。んん。新吾さん〜。そんなに優しくキスばかりされたらアンジェ……また、えっちな気持ちになっちゃいます……」

「そう? アンジェはいけない娘だね」

 新吾が苦笑しながら言った一言に、アンジェは目を輝かせて暴走を開始する。

「はい〜! そのとおりでございます! アンジェはとってもいけない娘でございます! ですので旦那様、ぜひぜひアンジェにきっついお仕置きをたっぷりとしてくださいませ〜! いっぱい罵ってお尻を叩いておっぱいを縄で食い込むくらいにきつく縛って引っ張って、この淫乱メイド〜っ! お仕置きじゃ〜っ! って、詰ってハードに攻めてくださいませ! あっ! 丁度良く人の気配が全く無さそうな公園がそこにございますよ!? 旦那様ぜひぜひお願いいたします〜!」

 え、何!? 外でっ!? 今ここでっ!? すぐにっ!? と、新吾は思った。そういえばいつの間にかまた、アンジェからの呼ばれ方が『新吾さん』から『旦那様』へと戻っていて、今はメイドさんモードなのだということがわかる。そういうことはしないよと少し前に言ったはずなのに、こうも求められてしまってははてさていったいどうすればいいんだろうか。新吾の苦笑と悩みをまったくもって無視しつつ、アンジェは期待を胸に新吾の腕をぐいぐいと引っ張って暗い公園の中へと誘っていくのだった。

 望まれたからには、応えてあげないと可愛そうだよね。そう思ったのが始まりとなっていくのかもしれない。

「あっあっあ〜〜〜! 旦那様あぁぁぁ! は、激しいですうぅぅ〜〜〜っ! もっとでございます! もっといっぱい強く突いてくださいでございます〜! あっあっあああああぁっ!」

 ずんずんとか、ずこずことか、そんな表現がぴったりくるくらいに野性的で激しい交わりだった。四つん這いのまま腰をふりまくるアンジェはまさに発情期の猫のように、甘ったるい声を漏らしてはいやらしい汁を間断なく垂らし続けた。

 夜空の元で、二人の交わりは更に更に続いていくのだったとさ。










----------後書き----------



 というわけでアンジェ話。ましろ色シンフォニーはPSP版が気になる今日この頃ですが、どことなく新キャラが桜乃とかぶっていそうな印象だけどはてさてどうなることやら。

 メイドとしてだけじゃなくて普通のクラスメイトな関係とかもあってもよかったかもしれないと思い、アンジェに制服を着せたりしてみました。けれどヘッドドレスはそのままなのはご愛敬。

 お次をお楽しみに。


ご感想を頂けると嬉しいです。





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