WhiteCanvas
-瓜生桜乃編- ある日の夜のこと。お風呂上がりだというのにもかかわらず、桜乃は何故だか唐突にケーキを作ってみたくなった。それは無から何かを生み出したいと思うような、人として当然の創作欲求であり、桜乃としては自分の中での乙女心が何らかの理由で突然高ぶり覚醒したのではないかと思って納得し、思い切りよく行動に移ったのだった。これを逃す手はないだろうから。 そして数十分後の事。クォリティ的にもお店で買ったものと比べても遜色なく、それでいて手作り感溢れる出来栄えに満足。 「食べられなくはない」 と、ホイップクリームをペロッとなめて味見の結果を呟き、うむ、と満足げに頷く。もっとも、一番食べてほしい人はただ今お風呂中。出てきたら早速食べてもらおうかなと思うのだった。 「……お風呂上がりはケーキにする? それとも、私?」 ぼそ、と誰に言うわけでもなく独り言を呟いてから気付く。それだ、と。帰宅した旦那様を迎えるときの台詞が若干変形されたものであり、亜種と言えるかも知れないと桜乃は思った。何がそれなのと、お風呂中の兄が聞いたらそう突っ込みを入れてくることだろうけれどそれはまあさておき、名案には違いないと思い、桜乃はもう少しばかり思案に暮れてからおもむろに事を開始した。何を考えたのか、セーターはおろかブラウスも、スカートや下着すらも脱いでいく。 「甘い甘いクリームとさくらんぼはいかがでしょう」 おすすめの言葉はそれかな、と桜乃は呟きながら思った。そして、忘れちゃいけない決め台詞があった。 「私も一緒に、食べて」 ――そして。
「ふう」 お風呂上がりの新吾はバスタオルで髪をふきながらリビングに戻ってきた。桜乃の姿が見えるが、何か様子がおかしいことに気付く。 「桜乃?」 それもそのはず。なにしろ桜乃は何故か一糸まとわぬ姿で佇んでいるのだから。更にそれだけではなく、言動も色々とおかしい。まさに異変と言える状況が訪れていた。 「お兄ちゃん。お風呂上がりのデザートはいかがですか」 「は?」 鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしてしまう新吾に対し、桜乃は続けて言う。 「特製クリームパイです」 おもむろに見せつけるように両手で自らの胸元を寄せ上げ、ずい、と近づける。桜乃のはだけた胸元は今、白いクリームとフルーツで丁寧にデコレーションされていた。クリームで乳輪を囲むようにしてふんわりとした輪を作り、桜色をしていて指先で転がせるくらいに尖った乳首にはさくらんぼの枝が巻きつけられていた。更に、胸の谷間にはクリームとともにチョコレートコーティングされたフルーツ、刻まれたバナナやパイナップルや白桃等々が挟まっている。 「さ、桜乃!? 一体何をしているのっ!?」 女体盛りじゃないんだから! と、言おうと思って言葉が上手く思い浮かばなくて慌てふためく新吾に対し、桜乃はここに至った経緯をゆっくりと簡潔に語り始めた。子供に昔話を聞かせる母親の如く、淡々と。 「甘い甘いクリームとチョコレートとフルーツのケーキ。お兄ちゃんに食べて欲しいな。そう思って、お風呂上がりだけどケーキを作ってみた。それなりにおいしくできて嬉しくなった。……ケーキを食べるように、私も食べて欲しいなって、ぼんやりと思ったら、いつの間にかこうなってた」 「そ、そうなんだ」 桜乃は元から落ち着いている割にどこか天然ボケしている妹だけど、時折ものとんでもないことをしたりすることがあると新吾は思っていた。今がまさにとんでもないことをしでかしている瞬間なのだろうなと新吾は実感した。それも、近年稀に見るくらいの凄まじいボケ具合だ。 「名付けて……妹、桜乃の特製おっぱいパイ。お兄ちゃんに是非是非食べて欲しい」 夢中になったら一直線と言うべきか、迷いがまるでなかったのだろう。あるいは最初はちょっとした出来心だったのかもしれないけれど、やっていくうちにだんだん本気になっていったのかな、と新吾は推測した。 「乳首にさくらんぼ、うまく巻けちゃった」 「そ、そう」 四つの実を手の平に乗せて揺らしてみる。器用にも枝の長いさくらんぼを選んで交差させて結びつけていた。なんともまあ……と、返答に困ると新吾は思ったが桜乃はお構いなし。えっへんと得意げに微笑むけれど、頬はほんのりと赤らんでいる。何だかんだ言いながら恥ずかしさは変わらない。 「早く、食べて欲しい。……おっぱい押さえてても、クリームでべとべとになっちゃうから」 そりゃそうだろうなと新吾は思ったが、どうすればいいのかわからず絶句したまま。 「クリーム、なめて。私のおっぱいごと、ぺろぺろと。……乳首も、吸って。スプーンなんて使わずに」 「さ、桜乃……」 不器用なお誘いに、新吾はいつしか苦笑して桜乃の頬にキスをした。桜乃は目を閉じるタイミングを逃してしまい、うろうろと視線をさ迷わせる……。そうして新吾は、立ったままじゃ食べ辛いだろうからと言ってから桜乃をテーブルの上へと誘った。テーブルクロスも何もかも取り払い、ベッド代わりにして桜乃を寝そべさせる。木の冷たさが背中に染みる。 「あ、あ」 新吾は早速、桜乃が言うところの召し上がり状態に突入する。つ、つ、と新吾の舌がクリームごと桜乃の胸元をなめていく。桜乃はただ呼吸を落ち着かせながら、両手を組んでされるがまま。 「お兄ちゃん、おいしい?」 「うん。桜乃の気持ち、嬉しい」 とても不器用で絶句するくらいとんでもないことだけど、自分に喜んで欲しいと思ってのことだから、新吾は桜乃に微笑んで見せる。そうしてゆっくりと時間をかけて、桜乃の胸元に顔を埋めて行く。まずは右の膨らみから。ふっくらとした膨らみの、頂上の乳輪を起点にして、円を描くようになめ回しはじめる。左の胸は手で撫でるように揉み、乳首を結んでいるさくらんぼを軽く引っ張ったりして弄ぶ。桜乃はただ切なそうに目を細めて見つめている。 「ん……。私のおっぱい、好き?」 「好きだよ。お餅みたいに丸くて白くて、ぷにぷにしてて柔らかくて、丸くて形もいいし」 「乳首と乳輪の色……。私の名前と同じ桜色、してる……よね」 「うん」 桜乃の言うとおり淡い桜色。美乳だよ、と新吾は思った。 「おっぱいは、使いよう……。ん……」 とぼけたようなことを言い続けてるのは、込み上げてくるこそばゆさと恥ずかしさを紛らわせるため。新吾にはお見通し。 「ほら。桜乃もなめて。自分のおっぱい」 「あ……」 右の乳房をまんべんなくなめ回されたら、今度は左の乳房の愛撫を開始。新吾は膨らみを少し強めに掴んで、桜乃自身になめさせた。桜乃の舌と新吾の舌が絡み合いながら、勃起した乳首を転がしていく。 「気持ちいい?」 「……ふにふに、する」 「自分で自分のおっぱい吸うの、はじめて?」 「……前に一度、お風呂で挑戦したことがあった。何だか変な気持ちだった」 やはりこの娘は……俺の妹はかなりの天然さんだ、と新吾は本当に今更ながら思った。桜乃は自分の胸をおもちゃのように弄びながら、どこか不満そう。その理由はサイズにあった。桜乃自身、決して小さいわけではないけれども、親友達とどうしても比較してしまう。小柄な先輩と、メイド少女の顔が真っ先に思い浮かぶ。 「天羽先輩みたいに大きくなりたい」 「あれは……。大きいよね」 一つ年上の先輩のことを思い浮かべる。身長自体は低くて小柄なのだけど、バストサイズは抜群で制服の上からでも大きな膨らみがわかる少女の姿。母性的な笑顔が眩しい先輩、天羽みうという名の少女。 「ぱいずり、思いっきりできそう。いいな。羨ましい」 「そう言うけど、桜乃だってできるんじゃない?」 「微妙なところ。……そうだ。アンジェのおっぱい、今度わけてもらう。アンジェもとっても爆乳メイドさん」 もう一人、胸の大きな親友の姿を思い浮かべる。野良メイドのアンジェリーナ・菜夏・シーウェル、通称アンジェのことを。いかにスペシャルなメイドであったとしても、それはわけられるものじゃなかろうと新吾はしみじみ思った。きっと、桜乃が『アンジェ。おっぱいわけて』とか言ったらアンジェは『はい〜。是非是非お使いくださいまし〜と、言いたいところでございますが、さすがのアンジェでもそれだけはできません〜!』とかボケつつも無理であることを伝えるが、不屈の桜乃は諦めず『よいではないかよいではないか。ほれほれ』とか、悪代官か酒の席のスケベ親父の如くボケつつメイド服のエプロンを結んでいる所を引っ張ったりして『あーーーれーーーでございます〜〜〜〜〜!』とかアンジェが絶叫を上げる。そのような展開になるのではなかろうか。 「女の子の恥ずかしいところに好きな人の、おっきくなったものを……挟んでぷるぷるふるふるゆさゆさ。いっぱい気持ちよくなってくれたら、嬉しい。幸せになってくれたら、私も幸せ。憧れちゃう。天羽先輩とアンジェが本気で羨ましい」 それが桜乃の望みなのだけど、本人としては今一つボリューム不足らしかった。無駄に高めな背丈を削ってそっちに回せれば、としみじみ思った。もしかすると、愛理や紗凪も同じような事を考えたりしているのだろうかと、ふと何となく思った。 「ありがとう。その気持ちだけでも嬉しいよ」 新吾はくすっと笑いながら、桜乃の前髪をかき分けて頬にキスをした。桜乃は照明が少しばかり眩しそうに目を逸らしながら言った。 「お兄ちゃんは、おっぱいは大きい方が好き?」 「あんまり気にしたことはないけど……」 こだわりはそれほどない模様。むむむ、と桜乃は少し考え込んでから言った。 「私のおっぱいが特大になったら、嬉しいと思う?」 「そりゃ、まあ」 ふぅむ、と桜乃は目を閉じる。一体何を考えているのか、新吾にはちょっとわからないのだった。お兄ちゃんに揉んでもらって大きくしてもらおうかな、とか考えているのかなと推測するも、何となく桜乃のペースに乗せられっぱなしの気がするので、新吾自身も少し攻めに転じてみようかと思った。 「そうだ。桜乃、そのままでいて」 「うん?」 何か思い浮かんだのか、新吾は一旦その場を離れて冷蔵庫の中をなにやらごそごそと探し始めた。そしてすぐに戻ってくる。片手に何かを持って。 「こっちも、恥ずかしいところだよね。おっぱいに負けず劣らず」 「あ……」 新吾は桜乃の両股を交差させ、密着させた。そうしてそこに、手にしたペットボトルの中身を軽く注ぎ込んだ。 「んっ!」 ぽた、と雫が落ちた瞬間冷たい! と、桜乃は思って目を閉じた。薄く淡い毛に覆われた秘所……三角州のような形状になっているそこに新吾が注ぎ込んだのは炭酸の強めなサイダー。冷たさとともに、しゅわしゅわと音を立ててぴりぴりとした感じ。 「こぼしちゃだめだよ、桜乃」 「ん、あっ……」 こんなことをされるとは想像もしていなかった桜乃は必死に両股に力を入れてくっつけ合わせる。 「ここにお酒を入れるのがさ、わかめ酒って言うんだってさ」 「そ……。んっ!」 新吾は言いながら更に注ぎ込む。三角州のようだった場所はしゅわ、しゅわ、と泡立つ液体によって満たされてダムになりつつあった。 「お、にいちゃん……。あ、あふっ!」 限界にまで満たされてから、新吾は桜乃の脇腹を優しくなで回し始めた。肌にぎりぎり触れるか触れないか、うぶ毛を撫でるように。 「きゃぅっ! んっ! あっ! だ……め……」 くすぐったさに体が震える。どこまで耐え続けられるか。一瞬でも気を緩めたら、股間のダムはあっさりと決壊してしまうことだろう。普段から落ち着いていておとなしくて、滅多な事では動じない桜乃がこそばゆさに喘ぎ、体をひくつかせている。新吾にはそれがとても刺激的に感じられて、ますます意地悪をしたくなっていく。 「あ……」 更に、お腹の小さな窪み。桜乃のおへその中にもあふれそうなくらいにたっぷりと注ぎ込む。そして新吾は桜乃のくびれた腰を人差し指でつん、とつついた。 「はひっ!」 ぴくんっと、陸に打ち上げられた魚が跳びはねるように桜乃は反応していた。それでも奇跡的にこぼれはしなかった。が……次の一撃が致命傷となってしまった。 「こぼしちゃだめだからね」 「あ、ふっ! だ……めっ!」 新吾は桜乃のおへその回りを舌でなめ回しつつ、手を伸ばして左右の脇腹を爪先で軽く掻くようにくすぐる。桜乃は耐え切れず、体をよじってしまった。テーブルの上はお漏らしでもしたかのようにびしょびしょになってしまった。 「あ、あ……あ」 「桜乃はいけない娘だね」 「んんぅ……。お兄ちゃんは……意地悪さん」 はぁはぁと吐息の音が聞こえる。度重なる刺激に桜乃は全身を小刻みに震わせ、目を細めながら呟いた。新吾にはそれが抗議のように聞こえて、手を止めてしまう。 「ごめん。意地悪するつもりは……。でも、その。桜乃の反応が可愛いから」 申し訳無さそうに言い訳をする新吾に、桜乃は続けて答える。そうではないのです、と、誤解を打ち消すように。 「違くて……。嫌なわけじゃなくて、もっとして欲しい。意地悪な事」 物憂げな眼差しで、大好きな人を見つめる。 「私は……お兄ちゃんのおもちゃ。もっと、好きにして。妹で、彼女だけど、おもちゃ。どんなことでも、お兄ちゃんの思うがまま。どんなことされても、いい。それが私の望み」 「桜……乃」 「もっといじくり回して。なめ回して。触ったり、揉んだり、吸ったり、くすぐったり……いっぱいめちゃくちゃにして欲しい……。お兄ちゃんに……もっと」 桜乃の言葉の最後はもう、聞き取れないくらいにフェードアウト。あまりにも健気で儚くて愛しくて、新吾は無意識のうちに桜乃と唇を重ね合わせていた。 改めてテーブルをベッド代わりにして、二人は一つにつながった。
「あふっ」 ぎし、ぎし、と揺れる音。テーブル上に仰向けに寝そべる新吾の上に桜乃が跨がり、体を上下に揺らしていた。桜乃の腰使いが見たいから、と新吾たってのご希望で、桜乃は恥じらいながらも体をうごめかす。はじめる当初は馬乗りですか、と桜乃はボケつつも興味津々のようだった。 「桜乃、いいよ。おっぱいもゆさゆさ揺れてるし、可愛い」 ふるふると揺れる乳房。乳首には相変わらずさくらんぼが結び付けられている。取れそうで取れなくて乳首とともに揺れている。桜乃が言うにはなかなかしぶといさくらんぼ、とのことだった。後で、二人揃って口移しで食べ合うことになる運命のさくらんぼは、今はまだ桜乃の体の一部。 「んっ。こんなえろい妹で、すみません」 「あはは。むしろ大歓迎、かな」 新吾のお腹に両手をついて、引き抜ける寸前まで体を浮かしてから、ゆっくりと埋没させる。その繰り返し。 「お客さん。締まりの方は、どうですか……。んっ」 ボケる余裕などないはずなのに、桜乃は無意識のうちに言葉に出していた。 「最高。ぬめぬめしてて暖かくて、きゅうきゅう締め付けてくれるよ」 それを聞いて桜乃はよかった、とほっとしたような表情を一瞬見せるけれど、すぐに目を伏せる。 「私の体はお兄ちゃんのもの。つまりは所有物。ということは……こんなふしだらな妹ですが、よかったら、奴隷にしてください。飽きるまで、ずっと」 桜乃はまた、とんでもない事を口走った。 「奴隷って、あのね……。俺は桜乃の事を大切に思ってるから、そんな風にはしないし、それに飽きたりなんて絶対しないから」 真剣な表情と言葉。心の底から愛されている。桜乃は嬉しいはずなのに、何故だか頬をぽろりと涙がこぼれ落ちていくのを自覚していた。 「お兄ちゃん……お兄ちゃん……。ん、ん」 「いいよ、もう。我慢しないで。いきそうなんでしょ?」 桜乃の上下に動くスピードが早くなっていき、締め付けも強くなり、結合部の湿り気も増していく。 「あっんっ! んんっ! あっ!」 もはやボケる余裕もまるでなくなり、一心不乱。それに加えて新吾の両手が胸に伸び、むんずと掴んで揉み回す。 「あっあぅっあぅっあっはうっあっあっあっ……! んっ!」 切羽詰まったような声と共に、桜乃の動きが突然止まる。そして、数秒間硬直した後に脱力し、新吾の体に重なる。 「はぁはぁ、はぁぁぁ。私。いっちゃった……。こんなに早く……」 「そうみたいだね」 「私は……お兄ちゃんの上で、腰ふりまくっていっちゃった……。えろい、妹……」 「もっと、いかせてあげるからね」 ずん、と再び強い衝撃。今度は新吾のターン。 「んぅっ!」 「今度はさ。キスしながらしようよ」 「あふっ! んにゅっ! んんっ!」 互いの吐息と視線を間近に感じながら交わり合う。新吾は桜乃の背中に手を回し、抱き締める。 「舌、絡め合わせて」 「んふぅ。んんぅ、ん、ん」 ぴちゃ、ちゃぷ、くちゅ……。淫らな水音と、唾液が交じり合って糸を引く。桜乃は熱にうなされたような表情で、ディープなキスに加えて激しいセックスに夢中になっていた。 「桜乃、いいよ。舌使い上手」 「んん、んぐ。ん……時々、バナナとかで練習してる。お兄ちゃんの……おしゃぶりして、気持ち良くなってほしいから」 「俺の、何を? はっきり言わないと分からないよ」 愛しいと思えば思うほど、ちょっと意地悪に突き放したように恥ずかしいことを言わせてみたくなってしまう。桜乃もそれを察して、素直に恥ずかしい事を言葉に出してみせる。 「お兄ちゃんの、おち○ちん。……今、私のお○んこの中にずっぽりと入ってる、太くて長くておっきいの」 桜乃はもはや恥じらいなどかなぐり捨てて腰をくねらせる。 「私のお口の奥までくわえて、ぺろぺろして、なめなめして……いっぱい気持ちよくなってもらって、出してもらって……。そうしたら……」 桜乃は決めた。この後すぐにお口でしよう、と。目一杯口を動かして、舌でなめ回して、あっという間に出してもらおうと。 「ごっくんって、全部飲んじゃうの……」 「そっか。じゃあ、この後してね。楽しみ」 「うん。……好き。お兄ちゃん、好き。好き、ん……好き……」 「俺も。好き」 愛がいっぱい。溢れ出す気持ちを言葉に変えて好きと言って、それだけでも足りなくて更にキスを交わした。交わりは最高潮に達し、テーブルがきしむようにギシギシと音を立てる。 「んっ。あっあっあっあっあっ。お兄ちゃんっ! お兄ちゃんっ! あっ! あっ! んっ!」 どちらからともなく、熱いものが込み上げていった。新吾が絶頂を向かえて桜乃の中に射精し、桜乃自身も同時に達してぽたぽたと愛液をこぼし続けた。 …………
テーブルの上に胡座をかいて座りこむ新吾と、剥き出しのお尻も気にせずに四つん這いになって新吾の股間に顔を埋めている桜乃。早速とばかりに予告通りのフェラだった。桜乃の舌使いはとても丁寧で愛情に溢れ、亀頭から根元まで柔らかな唇で包み込んでくれる。そして空いている手でしごいたり、玉を撫でて転がしたりと、練習の成果はてきめんで、新吾が感心するくらい手慣れていた。 「嬉しいな。桜乃のおしゃぶり、気持ち良くしてくれて」 「んん、んぐ、んんぅ」 お互いに体中汗まみれ。その上桜乃には塗りたくったクリームの残りもくわえて、どっぷりとした精液もぶちまけられ、更には股間周りもぐしょぐしょ。かれこれ数分はこんな調子で愛撫が続いている。ぐちゅ、ぐちゅ、と粘りのある水音が淫らに響き、口元から溢れ出た涎が桜乃の顎からしたたり落ちている。 「んんぅ。んうぅ。ん、ん、ん」 「上手だよ。本当に気持ちいい」 「ん、ん、ん、ん、ん」 誉められている。嬉しい、と桜乃は思った。愛撫の気合いが更に入っていく。 「そろそろ出そうだよ。全部、飲んでね」 「んんんぅ!」 程なくして、どぷ、どぷ、と桜乃の口内に射精。数秒間動きを止めて、にゅるんと音をたてながら引き抜く。そして桜乃は一気に全部、飲み干した。 「ん……。うぅ、んぐ……ん……。愛情一本、妹のフェラ……ちお、でした」 こくん、こくん、と二度に渡って小さく喉が鳴った。完全に飲み込んで桜乃は得意気にえっへんとでも言いたそう。 「お兄ちゃんのお○んちんをお口でくわえておしゃぶり……。やっぱり私、えっちな妹。こんな事してるなんて、人には言えない」 飲み干してから、その行為の恥ずかしさが込み上げてきたようだった。 「俺のためにえっちになってくれてありがと」 そっか、と桜乃は思った。尽くして喜ばれるのだから、えっちなのも悪くないんだ、と。 「私は今、とても幸せなんだと思う。お兄ちゃんは、どう?」 「俺も、幸せ」 「幸せいっぱい。でも、体中べっとべと。……なのでもう一度、お風呂入る。お兄ちゃんも……一緒に」 「うん。もちろんいいよ」 「お風呂の中で、いっぱいして。交尾」 「するけど、交尾って言葉はどうかと。いや、間違ってはいないけどさ」 互いに洗いっこして欲しいとか、指であそこをかきまぜて欲しいとか、湯船の中でお湯をばしゃばしゃと波打たせながら突き上げてもらいたいなとか、桜乃は今とても強く思っている。 「横文字よりも和風でいいと思う。お兄ちゃんと交尾する妹……。えろい響き」 教科書にあるような例文でも読み上げるように言う。ぽう、と桜乃の頬が赤らんでいく。 「動物的だね。それなら、性交とかの方がいいんじゃない?」 「お兄ちゃん、お風呂の中で性交しましょう。……何だか響きが今一つ。日本語は面白い言葉。となるとやはりここは交尾の方で。お兄ちゃん、お風呂の中で交尾しましょう。……うん。やっぱり、こっちの方がえろく聞こえる。絵日記にでも書いてみようかな。今日は、お兄ちゃんと十回交尾しました。とても気持ち良かったです、と」 相変わらず変な事に拘る娘だなあ、と新吾は苦笑。とりあえず絵日記はいいけど交尾とかとんでもない事を書くのはやめなさいと心の中で思った。 「もう、いいから入るよ」 「うん。……あ」 桜乃はまた、甘えるように言った。 「どうしたの?」 「今日……夜、一緒に寝ても……いい?」 今日はもうとことん甘えるつもりの桜乃と、完全にそれを受け入れている新吾。 「もちろんいいよ」 「それから、それから……えっと」 腕枕してもらって、寄り添っておしゃべりして、時々キスしてもらったり頬を寄せ合わせたりして、恋人同士の甘いトークに花を咲かせて、そして。 「全部、桜乃のお気に召すまま」 桜乃は嬉しくて何も言えなくなってしまった。言おうとしていたことを全てお見通しされているのだから。まさに、まいりましたと言う状況。にっこりと微笑んで見せる。 「さて、お風呂行くよ。……でもその前に、折角だからさ」 「ん……。あ?」 テーブルの上から降りた新吾は突然、桜乃の体を引き寄せて、大きく股を開かせた。そして……。 「よ……っと」 「んんっ! お兄ちゃん……また、するの? あっ!」 射精したばかりの秘所は新吾のものをあっさりと受け入れていた。そうして新吾は桜乃を抱き締め、両肘に桜乃の足を乗せて持ち上げた。所謂駅弁スタイルという格好。 「しっかり掴まるんだよ。このままお風呂までいこうね」 「ああっ! あっ!」 突然の事に驚きの表情。ゆさゆさと宙に浮かされ、揺さぶられながら桜乃は喘いだ。 「う、ああ! お兄ちゃん! お兄ちゃんっ! あっ!」 「気持ちいい?」 「うん。気持ちいい。また、すぐにでもいっちゃいそう……。私、敏感すぎ、なのかも」 敏感という言葉を聞くと、更に激しくしたくなってしまう新吾だった。 「そっか。それにしても、桜乃はお尻もいい形してるよね」 「あ……」 両手でむんず、と掴まれていることに今更気づく。恥ずかしいところなのに、夢中で気づかなかった。 「あ、ぅ。お尻撫で撫で……くすぐったい。お兄ちゃんはえっちさん。せくはら……。でも、嫌じゃない。お兄ちゃんだから」 うっとりとした表情の桜乃はお尻を触れられても平気のようだった。 「ああ、いけない。このままお風呂に行くんだった」 当初の目的を見失い、新吾は溜息をつく。けれど、桜乃はこのまま終わらせては嫌だと駄々をこねた。 「待って。このまま……もう一回いかせて欲しい。いっぱい、犯すように私をまわして。まわすまわす……りんかん?」 「……何だかまわす、の意味が危ない方で全然違うような。どこでそんな言葉覚えるの?」 「さあてどこでしょう、シンキングタイムスタートです」 とぼけながら言ってみせる。桜乃はもう既に乗り乗り状態。こうなったらもはや、最後までやるしかない。新吾は桜乃の体を持ち上げて揺さぶりながら、クルクルと回転して激しく交わり続ける。 「あっあっあっあっあっ! これ、すごい……。お兄ちゃんすごい……。奥まで突かれちゃってる……。あっ! んっ!」 文字通り体をおもちゃのように扱われ、桜乃の切なげな喘ぎ声がいつまでも響いていった。 「お兄ちゃん! お兄ちゃん……! もっと、もっと……。あっんっ! はぅんっ! ああんっ! あんっ! 気持ち……いいの……」 …………
暗闇に包まれた新吾の部屋。ベッドに横になる新吾の横に、ちゃっかりと寄り添いながらうとうとと眠りに落ちようとしている桜乃。あの後、予想通りお風呂でも激しく交わり合った二人は疲れ果てて眠ることにした。今では打って変わって落ち着いて、ゆったりとした時が流れていた。 「お兄ちゃん。ねむい……」 「うん」 桜乃の閉じた目が一本線のように細く見える。余程眠いんだろうな、と新吾は可愛らしく思った。甘えながら温もりに身を任せて新吾にぴったりとくっついている。そのせいで桜乃の柔らかな胸の膨らみが新吾の腕に触れ、とくん、とくん、と鼓動を感じる。 「うぅん」 「寝ていいよ」 静かな夜はこのまま更けていくのかな、と桜乃が思った時、枕元の携帯が控えめに鳴った。夜といってもまだまだ早いから、かかってきてもおかしくはなかった。 「ん。愛理からだ。もしもし……」 新吾は気をきかせて静かにしているようにした。 「うん。大丈夫。寝ようかな、と思っていたところだったけど。今日は疲れちゃったから」 僅かに聞こえてくるクラスメイトの声。完全に打ち解けているんだな、と新吾は思った。 「うん。うん。……そっか。よかった」 親友同士の会話はともすれば長電話になりがちだけど、愛理も桜乃が寝ようとしていたと知り、要点だけ伝えて切り上げようとしているようだった。また今度、お話聞いてね、と聞こえてくる。 「うん。おやすみなさい」 ぴ、と電子音がして通話は途切れた。 「愛理。学園長……ううん、お母さんと会っていっぱいお話をしたんだって。喜んでた」 「へえ」 聞いていた内容をまとめると、愛理とその母親のこじれていた関係も、ゆったりと落ち着きを取り戻していっているようだった。 「桜乃、嬉しそうだね」 新吾に対し、こくんと頷いてみせる。 「愛理の幸せは、私の幸せ」 今度落ち着いた時に、もっとお話を聞いてあげようと桜乃は思った。愛理も色々と聞いて欲しい事があるだろうから。ゆっくり、じっくり、たっぷりと。 「桜乃は優しいな」 「そう?」 「そうだよ。親友の事を、自分の事のように喜んであげることができるんだから」 桜乃は少し間をおいて、聞いた。 「……お兄ちゃんは今、幸せ?」 「うん。最高に」 言わずもがな。こんなに可愛くて優しくて兄思いな妹が恋人で、鼓動もわかるくらい側にいてくれるのだから。 「私も、幸せ」 ぎゅむ、と新吾の体に抱き着いて甘える。 「あんまり欲張ってないはずなのだけど、幸せいっぱいで、とっても楽しくて、何だか嬉しくて……。これでいいのでしょうか、お兄ちゃん」 罰でも当たったりしないものだろうか、とか思っているのだろう。 「いいんじゃない?」 「それじゃ、欲張りついでに今日の最後にお願いしたいことがございます……」 とってもかしこまってお願い事。 「おやすみのキス、とか?」 「すごい。読まれた。どうして考えている事がわかるの。お兄ちゃん流石」 「それはだって」 「ん」 新吾は桜乃の体を引き寄せて、唇同士を重ね合わせた。 「俺もしたいって思ったから」 だからもしかすると桜乃も同じ事を考えたんじゃないかなと、新吾は思った。 「かないませんよお兄ちゃん」 好き、と桜乃は心の中で呟いていた。 「好き、だよ」 そうしたらまた、新吾に同じことを言われた。まさに以心伝心なのですね、と新吾の妹兼彼女は思いながら言った。 「お休みなさい、お兄ちゃん。夢の中でもいっぱい……えっちなことしてください」 最後の方はどこか寝言のように新吾には聞こえた。 「そ、そうだね」 桜乃はあれだけやってもまだ足りないどころか、ますますしたくなっていくようだった。既に桜乃の口元からはく〜、と静かな寝息。あっという間に眠ってしまって、余りの可愛さに新吾はしばらくの間微笑を解けなかった。 ――こうして二人のあまあまな夜は更けていくのだった。 ----------後書き----------
ましろ色シンフォニーなSSシリーズ『White Canvas』第二弾は桜乃編。 あの独特のテンションといい、お約束な立ち位置といい、とても素敵な娘だと思います。個人的にはましろ色シンフォニー内で一番お好み。 というわけでそのような独特のぼけぼけな雰囲気を醸し出そうと心がけながら、一気に書き上げてみたりしました。
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