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【50倍のヒート(前)】





鈴那「鈴那。今日はお留守番なの(^^)」
そしてぴんぽーん、とベルが鳴る。
鈴那「どなたなの〜?(・・)」
とてとてと玄関に駆けて行くのは鈴那だった。今日はご主人様も花鈴も鞠音もみんな出掛けていて、一人お留守番。

ぴんぽんぴんぽんぴんぽん

たて続けに鳴る。しつこいくらい鳴る。
鈴那「はぁいなの〜。今開けるの〜(・・)」

がちゃ

玲美「おほほほのほ。人呼んで『アスファルトの隙間に力強く咲くハルジオンの蕾』こと、奥野玲美でございますことですのよ( ̄ー ̄)」
鈴那「こんにちはなの(^^)」
ドアを開けるとそこには華恋の妹、玲美がいた。
玲美「あら? どなたかと思えば私のライバル、鈴那様ではございませんことかしら( ̄ー ̄)」
鈴那「そうなんだ〜(・・)」
体系も見た目も服装も妹キャラという立場も似ているため、彼女は鈴那をライバル視しているのだったが、鈴那は実のところ、あんまりよくわかっていないのだった。
玲美「ご機嫌よう。ここで会ったが五百数十年目! 今日こそ決着をつけてくれましょうでございますわ! 覚悟するよろし……って。そーじゃなくてなのであります次第!(--;;;)」
鈴那「ふにゃ〜?(・・)」
玲美「おおお、お米を少しだけ恵んで欲しいのでございますでげすの! 菜園の野菜は全部葉っぱから茎から根っこまでオールコンプリートに食い尽くしてしまったんでありますの! 次のものができるまで厳しいのでありますの!(--;;;)」
結構必死な華恋小屋の食糧事情だった。
鈴那「おねえちゃん、さっき云ってたの〜。お米がなくなっちゃったから、買ってくる〜って(・・;;;)」
玲美「がーーーーん。そ、そうなのでございますでありますの……(--;;;)」
がっかりする玲美。……が、鈴那はそれを見て。
鈴那「ふにゃ〜……(・・)」
頭の中で、花鈴に云われたことを思い出しているのだった。『鈴那ちゃん。困っている人は、助けてあげてね(^^)』と、優しい笑顔で姉は云い、鈴那はそれに対し『はぁいなの〜(^^)』と、元気に返事をするのだった。
鈴那「大丈夫なの〜。お米がないのなら、他のものを食べればいいの〜。きっと何かあるから、入ってなの〜(^^)」
玲美「本当ですの!? 感謝感激雨霰いたしますでごわすですわ!( ̄▽ ̄)」





で。キッチン。





鈴那「ふにゃ〜(・・)」
冷蔵庫の中を覗き見る鈴那。
玲美「何かいい物ございますですの?( ̄ー ̄)」
鈴那「えっとね。おっきなキノコがあるの〜(^^)」
玲美「おおぉぉおう! ぐれーとですわ!( ̄▽ ̄)」
ラップをかけられた、どでかいキノコが数本あった。……名前は不明だが。
鈴那「焼いて食べるの(^^)」
玲美「それはとても素敵でございますですわ!( ̄▽ ̄)」





そして、その何だかよくわからんキノコにとにかく火を通してみる。





玲美「おほほほほ。いい匂いがいたしますですわ〜。香ばしくて山の幸って感じですわ( ̄ー ̄)」
鈴那「お醤油なの〜(^^)」
玲美「ではでは、僭越ながらご賞味させていただくでありますわ( ̄ー ̄)」
いい具合に火が通ったようなので、醤油をつけて食ってみる。





すると。





もぐもぐ

玲美「……( ̄ー ̄)」
鈴那「おいしいの?(^^)」
玲美「……( ̄ー ̄;;;;;)」
鈴那「どうしたの?(・・)」
玲美の顔がみるみる赤くなっていく。
玲美「……う゛っ!(--;;;;;)」
鈴那「ふにゃっ!? Σ(;;;;;;)」





玲美は一体どうなってしまうのか!?





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