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【必殺新奥義・発動】





男たるもの。誰しも奥義と云うべきか、必殺技と云うべきものを一つ二つ持ちたいと思うものだ。人生の中でかくいう経験は誰しもあるものだろう(--)
花鈴「そうなんですか(^^)」
そうだ。その上で、命を託した盟友とでも云うべき究極の兵器を持ちたいと思うものでもある。伝説の剣しかり、巨大な戦斧しかり、天下無双の槍しかり(--)
花鈴「男の人はそういう武器とか好きですよね(^^)」
うむ。戦争はよくないしいけないし平和が一番。が、だがしかしだ。そういったことをわかりつつも男という生き物は兵器とか武器とか戦闘機とか戦闘ロボとかに熱きものを感じ浪漫を持ち憧れるものなのだよ。男とはかのように度し難く、平たく云えばガキっぽいものなのだ。生を受けたその時から火葬され墓場に入るまでな(--)
花鈴「あは(^^)」
と云う訳でだな。男ではないが貴様にも一つ、何かしらの秘技を授けてやろうかと思うてのう(--)
花鈴「む、無理ですよぉ(^^;;;)」
いやいやそんなことはない。まず、武器の選定だが。時代劇とかでは釣竿とか濡らした布で戦うよーなやつもおるくらいだからな。剣とか斧とか銃とかでなく、身近だけどとっても変わったものにしようじゃないか。新ジャンル開拓といこうかね。そこで様々な対象について考えたのだが、貴様に合う武器……それは、これだ! これしかねぇ、と俺は判断したッ!(--)
そして差し出されたものをみて花鈴の表情が凍りつく。白くて小さなリボンが可愛らしくも大きなもの。
花鈴「え……? Σ(^^;;;)」
フフフ。驚いただろうそうだろうそうに決まってる。貴様の部屋のタンスの中をごそごそ漁ってたら見つけたので持ってきた。相変わらずでっけぇブラだな。てことはまたでっかくなったんだろ? そうなんだろ?(--)
花鈴「ご、ご主人様……(//-//)」
そのまんまキャッチコピーになるな。普段はごく普通の女子高生。しかし……いざ敵に狙われた時、身につけていたブラを一瞬にして脱着し、手足のごとく自在に振り回し強力な兵器として使いこなし、巨大な敵をばっさばっさと撃破する。『殺人ブラ使いの花鈴』とでも異名を持つのもいいのではないかね(--)
花鈴「ご、ご主人様ぁっ! どうしてそういうことをするんですかぁ〜! 何てことするんですかぁ〜! 何を考えているんですかぁ〜! 何を持って来てるんですかぁ〜!(xx)」
猛烈な恥ずかしさと呆れのこもったため息と共に、非常識なご主人様に対し必死の抗議。
まぁ聞け。ブラの肩紐を人差し指でくるくると回してだ。でかいカップの部分で敵の頭をすっぽりと覆いつくして視覚と行動を奪い去りスタン状態にしてだ。敵を完全に固定してからぐいっと強引に引き寄せ、壁に叩きつけたりして攻撃するのだ。名付けてHカップハンマー! あるいはあるいは、ブラに刀を仕込んでおき、振り回しながら雑魚共をザシュザシュと刈り取っていく、ブラカッター! 意外性大だなまったく(--)
花鈴「……。Hカップじゃないもん……。そんなに大きくなっちゃってないもん……。もう少し小さいもん(xx)」
いじけたように呟く花鈴。爆乳であることをコンプレックスに思い、そーとー気にしているのだった。
扱いの要領としてはヌンチャクとかトンファーとか三節昆みたいな振り回す感じでな。見てろ。ほ、ほ、ほっ! ふぉっふぉっふぉ! ふおおおおっ! あちゃ! ほっちゃ! ほわっちゃあああああぁぁあぁっ!( ̄▽ ̄#)
のりのりなご主人様。悪のりもいいところ。花鈴にとっては嫌がらせにしか見えないわけで。
花鈴「うぅ。意地悪……。やめてくださいぃぃぃ(xx)」

ひゅんひゅんひゅん!

器用に花鈴のブラを振り回すご主人様。しかし……。

ばふ!

どわ! しまった。お、お、お……。あかん。からまる。おおお(--;;;)
上手くいかず頭にブラが絡み付いてしまった。
だぁぁぁっ! どーして絡まるんじゃいっ! コレじゃ変態じゃねーかってんだよ!(--;;;)
絡まらなくても立派な変態である。
花鈴「うぅ……。か、返してくださいよぉ〜! もうやめてくださいよぉ〜!(xx)」
うむ……。ほどけた。つまり、こいつをこのように……ひゅんひゅん振り回してだ。秘技、下着ヌンチャク! とか、そういう技をいざというときの護身用にだな、いいと思うのだな(--;;;)
花鈴「しません〜! 変態さんですよぉそれじゃ! か、返してくださいよぉ〜!(xx)」
必死に返してと叫ぶ花鈴だったけれど、ご主人様は聞く耳をまるで持たない。
わかったわかった。ならば、下のも使うとそういうことだな(--)
ポケットから取り出したのはブラとお揃いの柄のショーツ。勿論花鈴の。
花鈴「ひぅっ!(;;)」
二刀流! と、いうことを云いたいのだな貴様は! ピンチになったら突然ばばっとブラとパンツを脱いでノーブラのノーパンで戦う痴女的美少女女子高生。何だかそれって今までにないタイプだと思わねーか? こんな風に、ふぉおおおおおっ! おおおおおお! いけるいける! すげぇぜこれ! これからのトレンドだぜ!(--;;;)

ひゅんひゅんひゅん!

両手で女の子のブラとパンツを振り回してるというとっても異様な光景だった。
花鈴「や、や、やめてくださいぃぃ〜〜〜! ふえぇぇぇ〜〜〜ん! は、恥ずかしいんですよぉ〜〜〜! お願いだから返してくださいよぉぉ〜〜〜!(xx)」
鞠音「あにやってんだみゃこのど変態っ! 花鈴いじめんじゃないみゃああああああっ!(--#)」

どご!

ぐおっ!(--;;;)
花鈴の悲鳴が聞こえたのだろうか、お助け猫娘鞠音が特大の猫キックをご主人の脳天に食らわせ、ダウンさせていた。こうしてご主人様の暴走はようやく止まったのだった。
い、いいハイキックだぜ……。ぐふっ(--;;;)
花鈴「もう……。知りません……(xx)」
とっても深〜くため息をつく花鈴。花鈴はその後しばらく口を聞いてくれなかったそうな。当然の顛末である。





奥義なんかなくても、鞠音は強かったのだった。





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