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【お祝いに来てくれた人】










……遂にこの誰が読んでるんだかわかんねぇよーな奇特な人専門の小話も、百話を向かえることとなったのか。継続は力なりとは良く言うが、無意味な力だよなまったくもって(--)
とかなんとかぶつくさ言いつついろんな思いを胸に、花鈴小屋への帰路を急ぐご主人様。
連中は今頃、百話記念のパーティだかなんだかを楽しくやろうとしてたりするんだろうな、うむ。多分今頃絶賛準備中なのだろう。美味いものを徹底的にがっつくとするかな、うむ(--)
花鈴を筆頭に、鈴那と鞠音も一生懸命楽しそうにお手伝いでもしていることだろう。もしかしたら悠希の奴も来ているかなと思いドアを開ける。すると……。
アレ?(--)
辺りはしーんと静まり返っている。ふと、ソファーを見てみると。
鈴那「ふにゃ……にゃ……ん(-.-)」
鞠音「みゃうぅ……。すぴ〜(-.-)」
おい、お前ら。何しておるのか!?(--;;;)
重なり合って気持ち良さそうにお昼寝タイムの妹二人。更に……。
花鈴「すぅ、すぅ……(-.-)」
悠希「う、ううん……(-.-)」
珍しいことに花鈴まで一緒にお昼寝中。更に、抱きしめ合うようにして彼氏のゆ〜君も一緒に夢の中。
これは一体どういうことだ?(--;;;)
何かがおかしい。妙な事態にご主人様が首をかしげた時だった。
????「ふふふ。私の仕業よ(--)」
なにやつっ!? Σ(--;;;)
????「みなるでぃ君、違うわ。私はここよ(--)」
何っ!? Σ(--;;;)
背後から声。
????「ふふふ。隙ありよ、みなるでぃ君(--)」
気配すら感じなかった! き、貴様はまさか……(--;;;)
聞こえてきた声に振り返ると、そこにはぽーっとした寝むた気な目をした女性がいた。
????「みなるでぃ君、久し振りね。いつ以来かしら(--)」
貴様は裏の存在であり、決して表には出てこないはず……。誰も貴様の存在など知っているやつはいないと思うが(--;;;)
????「ふふ。その通り。私の名は俣山俣子(またやままたこ)。まったりとした空間からやってきたわ。このサーバのどこかに少しだけスペースを頂いて、まったりと過ごしてきたのだけど、花鈴ちゃんのお話が百話記念ということでお祝いをしに来たのよ(--)」
ほう。で、どうしてこいつらがこんなおねむな状態になっておるんだ?(--;;;)
俣子「そうね。普通にご挨拶をしようかなと思ったのだけど、みんなだいぶお疲れのようだったから、可哀想に思えたの。だから、ちょっとだけ気持ちのいいお昼寝タイムをまったりと過ごしてほしくなったのよ。みんなにもう少し優しくしてあげなさいなみなるでぃ君(--)」
それで眠らせたんかい(--;;;)
俣子「そういうこと。さて、また〜りと自己紹介をさせて頂こうかしら(--)」
おまえが来てから何だかだんだん空間がまったりしていくような気がするぞ(--;;;)
俣子「ふふふ。その通りよ。だって、私がみなるでぃ君の時の流れをまったりさせているんだもの。意識と声以外すべてまた〜りとさせてみたわ(--)」
う、うおおっ! か、体の動きがおせえええええええ!(--;;;)
俣子「それはあたかもサーバの重いオンラインゲームみたいな動きでしょう。ふふふ(--)」
貴様。一体何を企んでいる。お祝いに来ただなんて信じられるか! こんな事をして、花鈴小屋を制圧でもする気か!?(--;;;)
俣子「そんなつもりは毛頭ないわ。ただ、みんなで楽しくまったりしたいわねって思ったからしてみただけよ。ちょっとだけ、グリニッジ標準時の進みを遅らせてみただけよ(--)」
まったりしたいだけで時の流れを制御するなよおい(--;;;)
俣子「さて、改めまして自己紹介させて頂くわ。私は俣山俣子。まったりするのが趣味で生き甲斐の女子大生よ(--)」
どーいう趣味だよ一体(--;;;)
俣子「私という存在を生み出したのはあなたよみなるでぃ君。もう十年以上も前のことになるのかしら。とあるチャットにて、会話が途切れ無言の時間がずーっと続いた時にあなたは言ったわ。『何だこのまったりした空気は! まったりしすぎだ! このまままったりし続けるのならば、おれは俣山俣子とかいうまったりしたキャラクターを作ってしまうぞ!』と(--)」
そんなことで貴様のような変な存在を生み出すとは俺はどこの神様だよおい(--;;;)
俣子「それから十余年。このディスクスペースの片隅でまったりと過ごさせてもらったというわけ(--)」
いや、はっきり言って迷惑なんだけど(--;;;)
俣子「ふふふ。百話おめでとう。私はこれからもあなたたちをまったりと見守っていくわ(--)」
聞いちゃいねえ。あ……。だんだんと気が遠くなっていく……。意識が薄れていく……(--;;;)
俣子「みなるでぃ君もまったりと、おやすみなさい。またそのうちに会いましょうね(--)」
畜生……眠ってたまる……か。ぬうう……Zzz(--;;;)
こうしてご主人様は力尽き、ソファーの上に倒れ込むのだった。





夜になり、みんな目が覚める。





鞠音「ふみゃぁぁぁん。よくねたみゃ〜ん( ̄ω ̄)」
ピーンと尻尾と猫耳を伸ばす鞠音と。
鈴那「お昼寝しちゃったの〜(^^)」
猫のようにフルフルとおかっぱの髪を震わせる鈴那と。
悠希「花鈴さん……(//-//)」
花鈴「ゆ〜君……(//-//)」
抱きしめ合うようにして、一緒に添い寝していた事実に改めて顔を真っ赤にさせてしまう悠希と花鈴だった。





この後何人かお友達が来たりして、楽しいパーティは滞りなく行われた。





ご主人様は楽しそうにおしゃべりを続けるみんなを横目に、片隅の椅子に腰掛けて数時間前の事を思い出していた。
ぬう……。あれは夢じゃねーよな(--;;;)
沙羅「はい。精神ガードだけで精一杯でした。俣子様の世界に取り込まれないようにするだけで……(--)」
沙羅は、表に出ることもままならない程、とても手強い人でしたと証言していた。
あのまったり女め! 全周囲攻撃兵器かよ!(--;;;)
世界制覇など簡単にできるんじゃなかろうかと、ご主人様は思っていた。





俣山俣子はふふふと笑いながら、最後に言い残していた。





二百話を向かえたらまたお祝いに来るわ、と。





それに対してご主人様は思った。





『もう来んでええわッ!(--;;;;)』、と。











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