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【死闘! エクストリーム・流しソーメン】
どこまでも青い空。そして、向こうの方に見えるのは夏を感じさせる巨大な入道雲。足元には緑鮮やかな芝生。こんな時は納涼・流しソーメン大会に限るということで、またあのお騒がせな男がしゃしゃり出てくる。
ふふふ。聞けい貴様ら! 本日はこれよりエクストリーム・流しソーメンをとり行うっ!!!! もう夏だ! 日本の燃える夏なのだから流しソーメンを行うのは当然の成り行きである!( ̄□ ̄#)
花鈴「エクストリームって……。普通の流しソーメンじゃないんですよね? 絶対(xx)」
鈴那「ふにゃにゃ?(^^)」
鞠音「またなんかバカがアホなこと言い出したみゃ(--;;;)」
ええいやかましい黙れこの猫! いいか、そもそも流しソーメンというのはだな! 命を賭けた熱い戦いの一つのなのだ! そんな事も知らんのか!(--;;;)
鞠音「流しソーメンでどーやって命賭けるんだみゃ(--;;;)」
花鈴「もう。まためちゃくちゃなこと言ってます……(xx)」
さよう。高速で流れるソーメンをしっかりとキャッチできなければ、競技者の背中にあらかじめくくりつけられた爆薬の起爆装置を解除できないようになっておるのだ。まさに一分一秒を争い、命をも賭ける究極の勝負(--)
そこにヌッと出てきたオレンジ色の丸っこい奴は、華恋小屋マスターあろうず改。
フフフ。誰かと思えばかませ犬のパチものライクな俺ではないか。丁度いいところに強敵(とも)が現れるとはな( ̄ー ̄)
俺はかませ犬でもなければ貴様のパチモンでもないが、まあよい。……フッ。やるか貴様。あの大勝負を! 漢と漢。強敵(とも)同士の一大勝負を( ̄ー ̄)
おう! 望む通りじゃこるぁ!( ̄□ ̄)
よぉし! ならば行くぞ! この決戦のバトル・フィールドで貴様を血祭り上げてくれようぞ!( ̄□ ̄#)
っしゃあ! やったるぜ!( ̄□ ̄####)
エクストリーム・流しソーメン。それは夏の風物詩とも言える究極のスポーツ。……二人のご主人様曰く、そうらしい。
花鈴「食べ物を粗末にしちゃいけないんですよ(xx)」
とっても常識的な花鈴の指摘はしかし、完全に無視される。
じゃかあしいこの巨乳! 誰が粗末にするっつーたか!(--####)
そうだぞ娘っこ。俺達は誇り溢れる流しソーメンファイター。自分の身にどのような災厄が陥ろうと、食材は必ず捕獲し胃袋の中に入れる。それこそが大前提な戦いなのであると知れ(--)
花鈴「お願いですから普通に食べてください……(xx)」
鞠音「アホだみゃ。どこまでも果てしなくアホだみゃ(--;;;)」
鈴那「ふにゃぅ〜(^^)」
…………
いいか、耳の穴かっぽじってよく聞け。貴様らの為にこの俺が直々にルールを説明してくれよう。流れるコースは直線ではない。つまりはここは、広大なサーキットなのだ(--)
さよう。そこにソーメンを水と共に超加速をかけてぶっ放す(--)
うむ。そして俺達はソーメンに遅れをとることなく各コーナーを回り、指定されたポイントで箸を使い、すくい取って食うのだ(--)
もちろんソーメンをすくい取る際、相手の妨害をしてもかまわない。というよりも妨害しなければ勝てない。取り損ねるか、相手に取られるか勝敗はただ一つというシビアな勝負なのだ(--)
ちなみに待ち伏せは厳禁であり、反則……言うなればオフサイドを取られる。また、仮にソーメンのキャッチに失敗したとしてもだ。他のコーナーで再取得することも可能。シビアではあるが、一巡するまでそれは続く。決して最後まで諦めてはいけないということだな(--)
ちなみに、最後まで獲りそびれた場合は勝ち点1同士を分け合う引き分け。……とはならない。双方共に巨大なペナルティが待っている(--)
うむ。電気椅子で処刑される寸前クラスの高圧電流が俺達目掛けて降り注ぐのだ。おお、恐ろしい(--;;;)
花鈴「普通に食べましょうよぉ(xx)」
やかましい黙れこのどでかおっぱい! ぐだぐだ言っておらんと、この特製ソーメン・カタパルトにさっさと玉を投入せんかい!( ̄□ ̄#)
花鈴「うぅ。もう……(xx)」
思いっきり凄まれて逆らえず、泣く泣く言われる通りにする花鈴。
鞠音「バカだみゃ。壮絶にバカだみゃ。全然涼めそーにないみゃまったく(--)」
鈴那「よくわかんないけど、楽しそうなの〜(^^)」
何もわかってなさそうだけど楽しそうな鈴那。
で、結局。
つおおおおおおおおおおおおおっ!(--;;;;)
うおおおおおおおおおおおおおっしゃああああああああああああああっ! 第一コーナーのインをもらったあああああ! 頂きいいっ!(--;;;;)
パチご主人様こと、華恋小屋マスターあろうず改が優位に立った。
ぬあああっ! させっかこのやろ! うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!(--;;;;;)
ご主人様も負けじと妨害しまくる。肘打ち、膝蹴り、頭突き等々卑怯な手を駆使して。
ばきっ!!
ぐおっぐおっぐおっ! いてっいてっいてっ! てめぇこの! いてえよこのアホ野郎!(--;;;;;;)
鞠音「壮絶なんだけど、やってることはとことんアホだみゃ(--;;;)」
鞠音はもう何と言うべきか、突っこみもできる猫ちゃんになっていた。
花鈴「もう……(xx)」
鈴那「ふにゃ?(^^)」
結局第一コーナーでは決着がつかなかった模様。
づあああああっ! 畜生めっ! なんつーーーしつこい奴じゃおのれええええええええええ!(--;;;;;;)
うおおおおおおおおっ! 逆襲じゃ! 反撃じゃ! 第二コーナーでは負けるかああああああああっ!(--;;;;;;)
花鈴「お願いですから、普通に食べてくださいよぉ(xx)」
鞠音「花鈴、バカはもう放っとくみゃ〜。いちいちまともに相手してたら綺麗な黒髪が白くなっちゃうみゃ(--)」
もっともな事を言う鞠音。
花鈴「で、でも……(xx)」
鞠音「そんな事より、花鈴も早く食べるみゃ〜(^^)」
鈴那「つるつるなの〜(^^)」
二人のご主人様をよそに、普通に流しソーメンを楽しんでいる鞠音達だった。とても健全で、ほのぼのしたひととき。流しソーメンとは本来、このようにあるべきという見本。
おおおおおおおおおしっ! 今度こそ取ったあああああああああっ!(--;;;;;;)
ふっ! 馬鹿者があああああああっ! 甘えわ甘えわ甘えってんだあああああっ! そんなこともあろうかと第二コーナー周辺は広大な地雷原にしといたんじゃい! って、うおわあああああああっ! りりり、離脱失敗いいいいいいっ! んっぎゃあああああああっ!(--;;;;;;)
策士策に溺れるとはまさにこの事。余りにも愚か。片っ端から地雷を踏みまくるご主人様。
ぬぐおおおおおおおおおおおおっ! 貴様は本当の大馬鹿者じゃあああああああっ! ぐはあああああああっ!(--;;;;;;)
遥か彼方にて爆音が響き渡る。こうして二人のご主人様は爆風の中に消えていくのだった。
花鈴「もう……。どうしてこうなるんですかぁ〜(xx)」
鞠音「だから馬鹿は放っておくのが一番なんだみゃ。……そんなことより花鈴〜。もっと流してみゃ〜(^^)」
鈴那「楽しいの〜(^^)」
皆さん。くれぐれも流しソーメンは安全かつ、みんなで楽しく致しましょうね。
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